一見客の立ち回り | パギーの日記・飲み歩き紀行

一見客の立ち回り

さて、京都から帰ってきて、地元にも一人でゆっくり飲むお店はないものか…とふらふらし始めました。その時に見つけたお店の中には、つぶれてしまった所やもう二度と行きたくない所、そして今も足しげく通い続けている「もうひとつの家」のような存在になった場所までさまざまです。

行かなくなった場所について紹介するのもナンですが、喧嘩に巻き込まれて顔中アザだらけ、警察のお世話に…ということも中にはありました。深夜までやっているバーですし、中にはヤンチャな大人がいる場所もあるわけです。もちろん、店の中ではバーテンさんがそこらへんもフォローするのが普通ですが、その筋の人につまらないことで目をつけられる可能性もなきにしもあらず、です。 そんなことがないように、お店選びは特に気を使うべきでしょう。そして、もしいい店があったら、2回、3回と通ってバーテンさんと顔見知りになり、店の雰囲気にまざれるようにすれば、もうこっちのものです。

この時期私が、いくつかのお店に飛び込んでいくうちに、気づいたいくつかの事があります。 まず、何かしらお酒、バーに関係ある名前がついたお店。なぜかハズレが少ない気がします。例えば、「tandar」「もるとや」「Ken spirits」「Rime stone water」など。それだけ、お酒や接客にこだわっている所がある…ということかも知れません。そうでない場合は、なにかしらお酒以外を売りにしていたり(ダーツなど)、音楽が大音量でかかっていたり、ヤンチャな大人が集まっていたり…もちろん全部がそういうわけではありません。

あとは照明。だいたいバーというのは暗めに照明を落としています。もし少し明るいかな?と思ったら、バーテンさんとのコミュニケーションがあまり取れない店の可能性があります。これも経験ですが…

そして、落ち着いていていいな~って感じのお店に入れたら、どうするか。自分の場合、まず、入って何も言われなければ「ここ、いいですか?」って感じで入り口からなるべく近いカウンターに座ります。お客さんが何人かいた場合、ペア、カップルからなるべく遠い席がいいでしょう。こうして席についてはじめの飲み物を注文するまで、とにかく何も喋らない。と同時に、心を落ち着かせるのがポイントだと思います。

くりかえしますが、あくまで僕くらいの若造が、お店で過ごしやすくする技です。

とりあえず一杯目をたのんだら、ゆっくりメニューを眺めるといいと思う。それで、とりあえず「お店は何時まで空いているんですか?」「休みの日はありますか?」と、当たり障りのないことを聞きます。それで、もし店員から「こういう店は良く行くんですか?」とか「好きなお酒とか、ありますか?」とか聞いてきたら、ある程度自分は場違いな存在じゃないと思っていいと思います。私のホッとする瞬間です。

あとは、飾らずに自己紹介。学生やってます。よくのみに行くけど、お酒はあんまし詳しくないです。最近は、スコッチに興味があります。モルト系でおいしいのはどんなですかね?などなど…そしたら反対に、いつからこのお仕事なさってるんですか?かっこいいですね~みたいな感じでこっちから話を振ってみる。どちらにしても、当たり障りない会話ですよね?バイトでも学校でも、初対面の相手と会話をつなぐのと変わりないと思う。

この時点で、一見客としての印象は悪くないと思っていいんじゃないかな?あとは、二回目に来たときに、同じ人がいたらそこから世間話ができますよね?そこに自分の「居場所」があるわけです。さらに他のお客さんが同じようにバーテンさんと話をしていたら、自分に振られたり、会話にまざる機会も自然と出てくるかも…はい、もう常連客の入り口です。

何軒も回っていたら、絶対質の高いバーにめぐり合えると思います。失敗しても大丈夫。一杯だけ飲んで5000円も10000円も取られることなんて、普通はありません。なにより、あまり喋らず、何か聞かれたら素直に自分を表現して、受け入れてもらえる雰囲気かそうでないかを感じ取る。これだけだと思います。